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現在の日本人の死因順位をご存知でしょうか?
脳卒中は、悪性新生物(ガン)、心疾患に次いで3番目(1980年までは1位)に相当する恐ろしい疾病です。つまり、日頃から注意しなくてはならないということです。
脳卒中は紀元前より存在していたらしく、その歴史は中国で発見された数千年前の医薬書にも掲載されています。
そこには「中気」や「中風」と記されており、これは「風邪=突然」、「中=あたる」という意味で、「突然風邪にあたったように倒れる」ことから「脳卒中」と名付けられたといわれています。
死亡者数統計2010年 総数 119万7012人 |
||
---|---|---|
1位 | 2位 | 3位 |
がん | 心疾患 | 脳血管疾患 |
35万3499人 | 18万9360人 | 12万3461人 |
年間12万人以上もの膨大な死亡者を出す脳卒中ですが、その内訳としては、1980年までは脳血管が破れ出血する脳出血が大半を占めていたのですが、近年では脳血管が詰まる脳梗塞が多く全体の約62.5%を占めています。 また、脳卒中の患者数は現在約150万人といわれ、毎年25万人以上が新たに発症していると推測されています。 (厚生労働省データ人口動態統計2006)
「脳卒中」にはいくつかの種類があるのですが、大きくは脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも 膜下出血」と、脳の血管がつまる「脳梗塞( のうこうそく)」に分けられます。さらに細かく分類すると、さ まざまな病名で分けることができ、その全てが生命を脅かすものとなります。
「脳卒中」は非常に怖い病気ですが、発症後の後遺症も大変大きな問題となっています。現在、日本の医療費負担を増加するだけでなく、訪問介護の利用状況や身体障害者の疾病状況にも密接に関わっているのです。脳卒中の後遺症の内訳は次の通りになっています。ちなみに、全医療費の1割近くが脳卒中診療に費やされています。
疾病でみたときの 訪問介護利用状況 |
高齢者医療費の概要 | 身体障害者の疾病別状況 | |
---|---|---|---|
1位 | 脳血管疾患(脳卒中) 35.0% |
脳血管疾患(脳卒中) 1.38兆円 |
心臓疾患 36.0万人 |
2位 | 高血圧 7.1% |
高血圧 1.37兆円 |
脳血管疾患(脳卒中) 34.1万人 |
3位 | 心臓疾患 6.2% |
心臓疾患 1.31兆円 |
骨関節疾患 28.1万人 |
「要介護者」の2割以上は、脳卒中などの脳血管疾患によるものなのです。また、高齢者数の激増、
糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の増加によって、脳卒中の患者数は2020年には300万人を超すと予想されています。
脳梗塞疾病の41.2%の割合を占めるのが「ラクナ梗塞」です。ラクナとは「小さな孔」という意味で、直径15mm以下の小さな障害物(血栓など)が血管を塞ぎ、
その先の脳細胞が壊死してしまうというものです。
また、脳血管の細動脈に生じやすい脳梗塞で、特に高血圧の人に多く見られるため、血圧の高い方は要注意です。
しかし、梗塞部が小さ過ぎ、症状が比較的軽い、もしくは無症状の場合が多く、見過ごす可能性が大きいことが問題視されています。脳梗塞の中で最も発見しづらく見逃しやすいため、
特に注意をしたい脳梗塞と言われています。一般的に65歳以上の高齢者に多い病気です。
血流障害が原因となる脳血管疾患以外の様々な病気を知っておきましょう。
心臓 | 心臓病(狭心症・心房内血栓症・心筋梗塞・不整脈) |
---|---|
肺 | 肺塞栓症(深部静脈血栓症) |
その他 | 下枝静脈血栓症・糖尿病・高血圧症・高脂血症など |